「地ブランド」博報堂地ブランドプロジェクト(弘文堂)¥1,995
人口減少社会に入り、過疎化の進む地域がある一方、住みたい街、観光の街、すばらしい生産品・農産品が取れる街として活気のある地域が存在します。
これらの地域は、その地域独特の「ブランド」を持っています。それが「地ブランド」です。
本書では地ブランドを以下の3つからなるものとしています。
・観光地ブランド
・特産品ブランド
・暮らしブランド
そして、ブランドとはそもそもどんなものなのか。強いブランドに必要なものはなんなのかといったブランド論を非常に簡単に紹介し、その後地ブランドづくりのステップを説明しています。
基本的なステップは企業のブランド構築のプロセスと同様で、それを地域に当てはめて考えてみるというもの。推進母体を作り、ブランドコンセプトを策定し、ブランディングツールを作成し、接点開発を行います。おそらく企業の場合とで異なり、最も困難なのが、一番初めの推進母体の構築でしょう。人材はもちろん、指示命令系統も定まらない地域において、ブランディング活動を行っていくのには、ブランディング推進のノウハウやリーダーシップが必要です。
そこで、そうしたノウハウも含め、本書の執筆元である「博報堂地ブランドプロジェクト」ではセミナーや、ワークショップ、さらには地ブランド策定のためのブランディングツール(体験価値、情報価値、インフラ価値から観光ブランド力を測定する観光ブランドアナライザーや特産品について調査など)、を提供しており、その紹介もされています。
残念ながら結局、博報堂のプロモーションブック的なもので、内容は浅く、紹介事例も少ないので、ブランディングを一通り勉強された方には不要かと思います。ただ、地域ブランドの入門書として、非常に分かりやすく書かれており、地域ブランド作りに取り組む初期段階の教科書としては良いかも知れません。装丁もお洒落ですし。
自分がそもそも、コンサルタントとして、ブランドをテーマにやっていきたい理由として、この地域ブランドに興味があるからというのがあります。もちろん、商品や、企業ブランディングも奥が深く面白いのですが、将来的には地元を、そして日本のブランディングに携わりたいという想いがあります。
これは、英国留学から東京に帰ってきて強く感じたことがきっかけです。ロンドンに比べて、東京の雑然として、なんとも特徴のない(それが特徴かも知れませんが)雰囲気がすごく嫌で、別に新宿、渋谷は情報発信の街として、そうであっても良いのかも知れませんが、銀座や浅草、上野までもが、なんとなく利便性を追求したがため、同じような街に見えてしまって、なんだか悲しくなりました。
もっと、その街の良いところ、もっとうまく引き出したら、もっと素敵な街に、国になれるのになって、ただそれだけなんですが。
企業のブランディングも、商品のブランディングも、そして人のブランディングも、根本的には同じ。きっと持っているはずの、その人の良い所、商品の良いところ、企業の良いところを、ちゃんと分かってもらって、それを守っていく。それがブランディングなんだと思ってます。
まずは自分もきちんとブランド理論を学ばないといけないですが・・・
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コメント
お久しぶりです。
地域ブランドですか~☆たしかに東京にはいくつもいろんな街がありますけど、たまに全て同じ様に見えてしまう時があります。
自分は銀座、上野辺りはほとんど行かなくて、浅草はまだ行ったことがないのでよく分からないんですけど。
なんか、こう電車でから降りた時に一瞬で気付くぐらいその街って分かったりするといいんですけどね。それぐらい街並みだけで。たとえば駅の雰囲気が浅草!とか。
商業的なことになると、どうしても利便性が追求されていってしまうのでしょうね。。。
ながながとくだらないこと書いてしまってすみません。
投稿 みっちー | 2007.03.03 15:36
>みっちーさん
お久しぶりです。お元気ですか?
東京に住んでる人からすれば、それぞれで特色が多少はあると思うのですが
東京の外から来た人にはわかりづらいでしょうね。
おっしゃる通り、商業的に、どこでも同じものを求めた結果
どこでも同じような街になってしまっているのでしょう。
でも、住んでる方からすると、近くにコンビニは欲しいし、TSUTAYAも欲しいし
駅前には吉野家、マックがあると便利だし。
難しいところです。
投稿 周 | 2007.03.04 12:50
元気ですよー!!
まだまだ微妙な違いに気付けていないです。
しいて言うなら場所によってそこにいる人達が違う人種であったりする、という事ぐらいですね。
渋谷と新宿で情報発信の街と同じでも渋谷は全体的に年齢層が若いですし。といったコトぐらいですね^^;
ではでは、また来ますね^0^
投稿 みっちー | 2007.03.04 14:46
「地ブランド」、自治体の仕事に携わっている者として
読みました。
地方分権の流れの中で、行政だけでなく企業も地域への目が
向いてきたのは嬉しいです。
この本の良いところは、ブランドについての基本的な考え
―ブランドとは何かや、その特徴など―がコンパクトに
まとまっているところです。非常に読みやすいです。
一方、肝心の「地ブランドの作り方」については具体性が欠けている
感がありました。
一般論としては分かるのですが、実際に自分が「地ブランド」を
作る指南書としては説明が足りないかな、という感じです。
本著では「ブランドの種はどの地域にもある」・「それを発見して
ブランド化する」事が要諦とありますが、まず『発見』が難しいのではないでしょうか。
そして何より一番難しいのはそれをブランド化する「仕掛け」です。
どんなに本質的に優れているモノでも、ブランドにたどり着くには
何らかの「仕掛け」が必要だと思います。そこに言及が無かったのは
ちょっと残念でした。諸所の成功事例をかいつまんで紹介するのでは
なく、成功に至るまでの苦労や過程を詳細に記せば、
この本の「ブランド力」がもっと高くなるのではと思いました。
これで1,900円は(実用書としては)ちょっと高いかな。まあ、気軽に読めて楽しい本です。
自分の街に興味/関心が出た時に読むといいかも。
投稿 k-ji | 2007.05.07 04:22
>k-ji
コメントありがとうございます。
おっしゃる通りで、ブランド化に向けての詳細は明かされていない点が
博報堂のプロモーションを兼ねている本である所以です。
成功事例も、既にブランドとなりうるファクトありきの事例で
ゼロからの発掘というのは実際問題難しいです
(企業のブランディングにおいても)
まだ、この分野、個人的に情報収集している段階で
本格的に研究出来ていませんが、将来的にやっていきたい分野と捉えているので、実際の現場の声是非聞かせて下さい。
投稿 周 | 2007.05.07 22:37