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「ブランド戦略シナリオ―コンテクスト・ブランディング」阿久津 聡/石田 茂(ダイヤモンド社)¥1,890

ブランドに関する本は数ありますが、「ブランド連想」に焦点を当て、 いかに構築するかここまで理論的に説明して、 実例(ニチレイのアセロラ)を元に解説したものはないのではないでしょうか。

本書はコンテクスト(文脈)と言う、顧客や自社の中にある知識やイメージを いかに結びつけて、強いブランドを構築させていくかを分かりやすく説明しています。 分かりやすくと言っても、基本的なブランドの構造が頭に入っている方が理解は進みます。

コンテクストブランディングの考え方、 そしてニチレイアセロラドリンクでの事例を通じての 具体的な進め方、プロセスの紹介。

その核となるブランドアイデンティティの構築方法、 一方で顧客の頭の中にあるブランドイメージを把握するための考察手法。

これらの分析を元にしたブランドコミュニケーションの在り方など。

実際、自身もコンサルティングをする上で非常に参考になりました。 考え方や実践方法自体は素晴らしいですが、実際に行なうには大変な負荷が想定され 推進体制などについても説明があるとよかったです。 ブランディングに関わる方はもちろん、 商品企画やプロモーションに関わる方にもおススメです。


本書の考え方は非常に分かりやすい上に、実践的だと思います。ニチレイのアセロラの事例では、

「アセロラ→ビタミンC」の連想はすでにあるものとしながらも、「ビタミンC→アセロラ」とはならずに「ビタミンC→レモン」となっている状況をいかに変えていくのか(これだけではなく、もっと複合的ですが)を順を追って説明されていて、理解しやすかったです。

上述にもありますが、確かに、実践する上では大変な負荷がかかるでしょう。まず、社内にあるブランド知識の集約、整理。そして、顧客の頭の中にあるブランド知識、イメージの文脈をいかに抽出し分析していくのか。アンケート調査では導き出せない、表層から深層を読み取る力が必要になってきます。

本書は、国内のブランド論の大家、阿久津先生と、電通の石田氏の共著ですが、本書の影響で電通にもこの手法の依頼が多くあったようです。でも、なかなかどうしてやはり実践が難しいのか、電通社内では今やタブーになっているとかいないとか。

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