日本が世界に誇る製造業

22日の読売新聞でiPodの部品の多くが日本の部品メーカーによって作られているとの記事がありました。

記事では、サムスンなどの韓国勢がフラッシュメモリや半導体などの収益性の高い部品を担っているのに対し、日本勢は部品点数では圧倒的に多いものの、原価では1000円程度だと言う。

iPodなど、世界的な大ヒット商品にも関わらず、部品メーカーが受取る金額はごく一部。これでは疲弊していってしまうでしょう。

部品メーカーに加えて、素材メーカーや化学メーカーなど、日本が世界シェアで圧倒的なトップシェアを獲得している分野は実は意外と多いのですが、最終製品ではまったく目立ちません。

もちろん、iPodはハードだけでなく、ソフト面での融合があったからこそのヒット商品だとは思いますが、モノづくりだけでは立ち行かなくなってきているというのも事実でしょう。

部品メーカーで、地位を高めた唯一の事例として良く出るのがインテルですが、技術ブランディング、今後こうした日本企業にこそ必要な考えだと思います。

今、様々な企業のコンサルティングをやらせていただいてますが
個人的には、様々な商品や生活を、こうした影で支える企業に光をあててあげられるようなコンサルティングをしたいと思ってます

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「ブランド戦略シナリオ―コンテクスト・ブランディング」阿久津 聡/石田 茂(ダイヤモンド社)¥1,890

ブランドに関する本は数ありますが、「ブランド連想」に焦点を当て、 いかに構築するかここまで理論的に説明して、 実例(ニチレイのアセロラ)を元に解説したものはないのではないでしょうか。

本書はコンテクスト(文脈)と言う、顧客や自社の中にある知識やイメージを いかに結びつけて、強いブランドを構築させていくかを分かりやすく説明しています。 分かりやすくと言っても、基本的なブランドの構造が頭に入っている方が理解は進みます。

コンテクストブランディングの考え方、 そしてニチレイアセロラドリンクでの事例を通じての 具体的な進め方、プロセスの紹介。

その核となるブランドアイデンティティの構築方法、 一方で顧客の頭の中にあるブランドイメージを把握するための考察手法。

これらの分析を元にしたブランドコミュニケーションの在り方など。

実際、自身もコンサルティングをする上で非常に参考になりました。 考え方や実践方法自体は素晴らしいですが、実際に行なうには大変な負荷が想定され 推進体制などについても説明があるとよかったです。 ブランディングに関わる方はもちろん、 商品企画やプロモーションに関わる方にもおススメです。


本書の考え方は非常に分かりやすい上に、実践的だと思います。ニチレイのアセロラの事例では、

「アセロラ→ビタミンC」の連想はすでにあるものとしながらも、「ビタミンC→アセロラ」とはならずに「ビタミンC→レモン」となっている状況をいかに変えていくのか(これだけではなく、もっと複合的ですが)を順を追って説明されていて、理解しやすかったです。

上述にもありますが、確かに、実践する上では大変な負荷がかかるでしょう。まず、社内にあるブランド知識の集約、整理。そして、顧客の頭の中にあるブランド知識、イメージの文脈をいかに抽出し分析していくのか。アンケート調査では導き出せない、表層から深層を読み取る力が必要になってきます。

本書は、国内のブランド論の大家、阿久津先生と、電通の石田氏の共著ですが、本書の影響で電通にもこの手法の依頼が多くあったようです。でも、なかなかどうしてやはり実践が難しいのか、電通社内では今やタブーになっているとかいないとか。

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「地ブランド」博報堂地ブランドプロジェクト(弘文堂)¥1,995

人口減少社会に入り、過疎化の進む地域がある一方、住みたい街、観光の街、すばらしい生産品・農産品が取れる街として活気のある地域が存在します。

これらの地域は、その地域独特の「ブランド」を持っています。それが「地ブランド」です。

本書では地ブランドを以下の3つからなるものとしています。
・観光地ブランド
・特産品ブランド
・暮らしブランド

そして、ブランドとはそもそもどんなものなのか。強いブランドに必要なものはなんなのかといったブランド論を非常に簡単に紹介し、その後地ブランドづくりのステップを説明しています。

基本的なステップは企業のブランド構築のプロセスと同様で、それを地域に当てはめて考えてみるというもの。推進母体を作り、ブランドコンセプトを策定し、ブランディングツールを作成し、接点開発を行います。おそらく企業の場合とで異なり、最も困難なのが、一番初めの推進母体の構築でしょう。人材はもちろん、指示命令系統も定まらない地域において、ブランディング活動を行っていくのには、ブランディング推進のノウハウやリーダーシップが必要です。

そこで、そうしたノウハウも含め、本書の執筆元である「博報堂地ブランドプロジェクト」ではセミナーや、ワークショップ、さらには地ブランド策定のためのブランディングツール(体験価値、情報価値、インフラ価値から観光ブランド力を測定する観光ブランドアナライザーや特産品について調査など)、を提供しており、その紹介もされています。

残念ながら結局、博報堂のプロモーションブック的なもので、内容は浅く、紹介事例も少ないので、ブランディングを一通り勉強された方には不要かと思います。ただ、地域ブランドの入門書として、非常に分かりやすく書かれており、地域ブランド作りに取り組む初期段階の教科書としては良いかも知れません。装丁もお洒落ですし。


自分がそもそも、コンサルタントとして、ブランドをテーマにやっていきたい理由として、この地域ブランドに興味があるからというのがあります。もちろん、商品や、企業ブランディングも奥が深く面白いのですが、将来的には地元を、そして日本のブランディングに携わりたいという想いがあります。

これは、英国留学から東京に帰ってきて強く感じたことがきっかけです。ロンドンに比べて、東京の雑然として、なんとも特徴のない(それが特徴かも知れませんが)雰囲気がすごく嫌で、別に新宿、渋谷は情報発信の街として、そうであっても良いのかも知れませんが、銀座や浅草、上野までもが、なんとなく利便性を追求したがため、同じような街に見えてしまって、なんだか悲しくなりました。

もっと、その街の良いところ、もっとうまく引き出したら、もっと素敵な街に、国になれるのになって、ただそれだけなんですが。

企業のブランディングも、商品のブランディングも、そして人のブランディングも、根本的には同じ。きっと持っているはずの、その人の良い所、商品の良いところ、企業の良いところを、ちゃんと分かってもらって、それを守っていく。それがブランディングなんだと思ってます。

まずは自分もきちんとブランド理論を学ばないといけないですが・・・

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「パーソナルブランディング 最強のビジネスツール「自分ブランド」を作り出す」ピーター・モントヤ(東洋経済新報社)¥1,890

ブランディングの本は数あれど、パーソナルブランディングについて、ここまで体系的かつ具体的に書かれている本はないでしょう。

「個」の時代と言われて久しいですが、企業に勤めていても、自己啓発に励む方も多いですし、独立起業する人も増えているなかで、このパーソナルブランディングという考え方は、どなたにとっても重要なものとなると思います。

本書の構成として、まずパーソナルブランディングとは何か、なぜ行う必要があるのか。それがどんな効果をもたらすのか、を説明しています。ここらへんは、企業におけるブランディングと大きくは変わりません。あなたが誰で、何をしていて、どんな価値を提供してくれるのかを明確にする。そうすることで、明確な差別化が生まれ、無理なく、ターゲットとするお客さんが集まってきますよ、という事。

では、続いてどんなパーソナルな部分がブランドに成り得るのか、他者との差別化につながるのか。また、企業内の人においても、企業ブランドよりも、人との繋がりが重視される中で、パーソナルなブランドの優位性が説かれています。

さて、こうしたブランドをどう作り上げるのか。ブランドターゲットを定め、ポジショニングを行い、自身のPSB(パーソナルブランドステートメント)を作成する手順の説明。そして、ブランディングを行っていくうえでの8つのツールが紹介されています。
パーソナルパンフレット/パーソナルロゴ(名詞、スローガン、アイコン)/パーソナルウェブサイト/パーソナルポストカード/PR/ネットワーキング。

単なる紹介にとどまらず、具体的なデザイン構成や、盛り込むべき項目、PRにいたっては、記者・編集者へ対するプレスリリースの送り方など、すぐにでも実践出来る具体的な説明がされています。

そして、最後に12ヶ月でパーソナルブランドを構築する事を前提にした総括がされています。
また、各章の最後には「今すぐ実行できる項目」「ケーススタディ」「失敗しないための注意事項」が分かりやすくまとまっています。

特に個人で事業を営んでいる方には、きっと役に立つことと思います。また、将来的に独立を目指している方も、ブランディングの構築は早ければ早いほど良いので、そのための布石として一読することをお勧めします。今から出来ることはたくさんあります。

企業向けのブランディングの本を読んでいて、個人のブランディングにどうすれば応用出来るのかと考えていたのですが、とても参考になりました。

ビジネスにせよ、プライベートにせよ、企業にせよ、個人にせよ、どう見られているか、どう見られたいか、というのは結構気になるもの。その会社がどんなものを提供してくれるのか、その人といるとどう楽しいのか等々。個人事業主にとっては当然のことながら、企業内においても、「あいつならやってくれそうだ」「あいつにならこれ任せられるんではないのか」のような形で、普段から自分のやりたいこと、得意な事をアピールすることで、仕事が任せられる場合もあるでしょう。

転職して約半年。社内におけるポジショニングを考えると、あまり優位性は与えられていないように思います(つまり、僕でなくても誰でも出来る仕事しか出来ていないと言うこと)。当然、クライアントにとってもそうです。忙しさにかまけて、自身の目標を見失いがちでしたが、この本を読んで改めて目標を明確にしました。

自分がどうありたいのか、どんな事をしてきたいのか。そのために、来年に向けて今出来ることを考えて仕事に対していきたいと思います。

夢や目標ってついつい忘れてしまいますね・・・フランクリン手帳使っているのに、手帳自体が使いこなせていないから・・・。たまにこうした刺激はやっぱり必要ですね。


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「B2Bブランディング―企業間の取引接点を強化する」余田 拓郎,首藤 明敏(日本経済新聞社)¥2,100

最近、極端に本を読むスピードが遅くなりました。スピードというより時間がないせいでしょうか。

ブランドと聞いてすぐに思い浮かぶものと言えば、「グッチ」や「シャネル」などのファッションブランドであったり、「レクサス」や「ベンツ」等の高級車であったりと、消費財においてはとても浸透しており、ブランディングに関する本も消費財を対象としたものが多いなか、本書はB2B、企業間取引におけるブランディングの効用と、その具体的な方策を説明している。ちなみに著者は博報堂ブランディングコンサルティングの 首藤社長。

これまで、企業間取引においては、人的営業による長期的な取引のため、ブランディングの必要性が求められてこなかったが、商材の変化(モノからソリューション等のソフト的なものに)等により、購買側の購買プロセスに変化が生じてきた。そうした中で、価格競争に巻き込まれず、商談を優位に進めるためにもブランディングの必要性が生まれてきた。

ブランディングは顧客のみでなく、全ステークホルダーに対して行われる。従業員、人材市場や取引先や株主など。

それぞれのステークホルダーに対するブランディングの効果と、その方法も説明されている。

顧客に対しては企業における購買プロセスを、自社のポジションによって、それぞれ体系立てて捉え、各フェーズにおける効果的なブランディング施策の立案が求められる。

また、コーポレートブランディングのみでなく、営業人材ブランディング、技術素材ブランディングなど、B2B企業にとって直接的に役立つ形で紹介されている。

ただ、国内においてはまだ具体的な事例が少なく、この分野の研究もまだ広まっていないため、まだ理論として体系立っているとは言えない状況ではあるが、B2Bブランディングの数少ない書籍として、有用だと思う。

以前、自分が勤めていたIT会社はまさにB2B企業でした。当時からマーケティングやブランディングに興味があり、携わりたいと思っていましたが、そういった考えはほとんど皆無だったように思います。

メインフレームと呼ばれる、ウィンドウズ等のオープン系とは異なる、各社独自の技術でもってビジネスを行ってきた会社でしたが、オープン化の波に飲まれ、独自技術も優位とはならなくなり、ウィンドウズならどこから買っても同じだと、差別化要素も薄れました、どこの会社でもそうですが。

実際には、社内には優秀な技術者がいたり、長年ミッションクリティカル分野に携わってきた等のブランド要素があるにも関わらず、上手に伝えられず、価格は叩かれてばかりだった気がします。

営業の現場にいると、「なぜ、普通の価格で売れないのか、値引きをしないと買って貰えないのか」、単純な悩みを良く抱えていたものです。

うまくブランディング出来れば、価格プレミアムを実現する事も出来るのではないかと思います。また、自分も含め離職者が多い(IT業界はどこもそうかも知れませんが)のも、結局、どこでもやってる事は一緒で、自分でなくても出来る仕事のように思えてしまう点もあるのではないしょうか。これはインナーブランディングの問題です。

本書でも述べられていましたが、B2Bの大企業ともなると、最終製品に携わらないために、自分の仕事の遣り甲斐などが見い出しにくくなってきます。そうした時、自社のミッション、社会的な役割、価値を伝える事は重要だと思います。コーポレートブランディングはまさにB2B企業にこそ、求められるのではないでしょうか。

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「ブランディング22の法則」アル ライズ, ローラ ライズ(東急エージェンシー出版部)¥1,785

商品自体での差別化が難しくなってきた今、ブランドを持つ企業とそうでない企業とでは収益性に大きな差が出てきています。

ヒト・モノ・カネ・情報についで第五の経営資源とも言われるブランドの構築・強化をする、つまりはブランディングについての22の法則が分かりやすく紹介されています。

例えば「拡張の法則」。あるカテゴリーでブランドを構築出来ると、ついつい他のカテゴリーにおいても、そのブランドを活用しようとする企業が多くあります。そして、それらはカテゴリーが近いものであれば、ある程度は機能しますが、大抵において失敗し、元のカテゴリーブランドにおいても、悪影響を及ぼします。そして、その逆が「収縮の法則」。カテゴリーを絞り込む事でブランドをより強固のものとすることが出来るというもの。
事例が米国のものが多く実感が湧きにくい部分もありますが、十分言いたい事は伝わるように簡易に書かれております。

しかし、ブランディング自体まだまだ、発展途上の対象ゆえ、この法則に当てはまらない例外も数多くあるように思いますが、それ以上に法則から外れたがための失敗事例も多くあると思うので、こうした一連の法則を知っておくことは重要だと思います。

すべてに通して言えるのは、まずはブランドアイデンティティをしっかりと見定める事ではないでしょうか。


6月のハーバードビジネスレビューにも面白い論文が載っていました。

「セグメンテーションの悪弊」というタイトルで、これまでマーケッターが行ってきた、デモグラフィック(年齢、性別、地域等)や、サイコグラフィック(心理的)なセグメンテーションは決して無意味ではないですが、効果的ではなくなってきているのではないか。セグメンテーションの軸として、生活者が実際に何をしたいのか、という「ジョブ」を重視すべきではないかというもの。

そして、その一定の「ジョブ」において、目的ブランドとなることが、成功に必要なのではないかと説きます。

「○○すると言えば××。」と言ったような、そんなカテゴリーにおいてトップのブランド。上記の書籍においても、カテゴリーにおいてトップになれないのであれば、カテゴリーを作り出す事を推奨しています。いったい、あなたの会社は何をする会社なのか?その商品は、そのブランドは生活者にどんな価値を提供してくれるのか。まさにコーポレートアイデンティティ、ブランドアイデンティティの重要性が問われてくると思われます。

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